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【バレエ】 パリ・オペラ座 「グラン・ガラ」

「終わってみれば楽しかった。

最初のバランシンはどうなるかと思ったけど。」

と、土曜日マチネを御覧になったお師匠さま。

どうやら「作戦勝ち」の演目順だったらしい。

バランシンの「テーマとバリエーション」、

ロビンスの「アザー・ダンス」、

ミルピエの「ダフニスとクロエ」という順番で、

最初に苦手をもってきて、次に小振りな良品、

最後に得意(?)な演目で盛り上げて〆。

始めに不味いものを食べれば、

美味しいものがさらに美味しく感じる、

後味重視の定番構成だが、そんな姑息な手段をとらずとも、

3演目ともここの長所を生かす作品にすればいいだけのこと。

なぜ、敢えて墓穴を掘るような真似をしたのだろう。

あの群舞でバランシン? 大丈夫なのだろうか、

と思っていたら、予想通りの結果だったらしい。

つい先日、新国も「テーマとバリエーション」を演じており、

両者を比較すると、総じて個々の踊り手は、

パリオペの方がただでさえ長い手足を大きく使うので、

ゆっくりの時は見栄えがするが、

テンポが上がると動きに余裕がなくなり、

得意なはずの脚さばきも雑に。

足音はパリオペの方が明らかにうるさく、

フォーメーションは新国の方が最後まで美しかったという。

「とても同じ作品には思えない」と語る人がいるほど、

新国の圧勝だったそうな。メインの2人も2線級では、

新国のエース、小野/福岡組の敵ではなかったようだ。

ネットには、パリオペで口直しだ、

と語る人がいたようだが、観る順番、

逆の方が良かったんじゃないか。(笑)

そういえば、「ラシル」の感想で、東バの上野さんと、

ボリショイのオブラスツォーワさんを引き合いに、

パリオペ・ダンサーの方が良かった、と記している人がいた。

だが上野さんがシルフを踊ったのは昔の話で、

しかも古典を得意とする人ではないから、

彼女より良かったと言われても、

パリオペのレベルが高いことの証明にはならない。

オブラスツォーワさんは、

おそらく2012年の「バレエ・フェス」のことだろうが、

となると版はブルノンビル版だから、

これまた比較対象として適切ではない。

特にガラでよく上演されるPDDは、幽玄さよりも、

コミカルで足捌きの技巧を見せる場面だ。

加えてオブラスツォーワさんは同時期、

パリで本家に客演し、それを生で観た人が、

「舞台上にいたどのパリオペ・ダンサーよりも優雅だった」

と書き記している。

私も彼女の舞台は何度となく観ており、

その力量は把握しているから、

どちらの言い分を信じるかと問われれば、

躊躇なく後者と断言する。

日記に書いた人は、自分もいろいろ観ているよ、

その上での客観的感想だ、と言いたかったのだろうが、

結果としてパリオペ教徒の知識は中途半端ということと、

審美眼の欠如を証明しただけだった。

悲惨だったバランシンに対し、ロビンスは良かったそうだ。

男性はエイマンくんだから、あたりまえではあるが、

相方のパリエロさんも、

最後まで隙の無い踊り良い踊りだったという。

ラストのミルピエ作品は、芸監自らが舞台に立ち、

ボラックさんは意外な表情を見せ、

オケも予想外に頑張り、合唱も美しかったという。

これらの相乗効果もあって、

我が師は気分良く劇場を後にされたそうだ。

...チケット代のこと、忘れていたのだろうなぁ。