3月30日の行書問題その2

○基礎法学の裁判制度ーレベル3

12、司法制度改革審議会の意見書(平成13年6月公表)に基づいて実施された近年の司法制度改革に関する次のア〜オの記述のうち、明らかに誤っているものの組合せはどれか。

ア 事業者による不当な勧誘行為および不当な表示行為等について、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が当該行為の差止めを請求することができる団体訴訟の制度が導入された。

イ 一定の集団(クラス)に属する者(例えば、特定の商品によって被害を受けた者)が、同一の集団に属する者の全員を代表して原告となり、当該集団に属する者の全員が受けた損害について、一括して損害賠償を請求することができる集団代表訴訟の制度が導入された。

ウ 民事訴訟および刑事訴訟のいずれにおいても、審理が開始される前に事件の争点および証拠等の整理を集中して行う公判前整理手続の制度が導入された。

エ 検察官が公訴を提起しない場合において、検察審査会が2度にわたって起訴を相当とする議決をしたときには、裁判所が指定した弁護士が公訴を提起する制度が導入された。

オ 日本司法支援センター(法テラス)が設立され、情報提供活動、民事法律扶助、国選弁護の態勢確保、いわゆる司法過疎地での法律サービスの提供および犯罪被害者の支援等の業務を行うこととなった。

1、ア・イ 2、ア・オ 3、イ・ウ

4、ウ・エ 5、エ・オ

12

こたえ

『3』

イ、誤り。

選定当事者制度はあくまでも同意を得た者達の間で選定し訴訟をしているのに対し、クラスアクション制度は、当該集団に属する者の全員が受けた損害について、事前同意なくして一括して損害賠償を請求できる(判決の拘束を受けたくなければ自ら除外を申し出ておく必要がある)という点で大きく異なっている。

ウ、誤り。

審理が開始される前に事件の争点及び証拠等の整理を集中して行う制度は、民事訴訟および刑事訴訟のどちらにも存在するが、公判前整理手続は刑事訴訟における制度であり(基本的に「公判」は刑事訴訟の審理を指して使う用語である)、裁判員制度の導入をにらみ、刑事裁判の充実・迅速化を図るため、平成17年の刑事訴訟法改正によって導入された手続である(刑事訴訟法第316条の2以下)。

刑事訴訟法第316条の2第1項

裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いて、第一回公判期日前に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を公判前整理手続に付することができる。

憲法の国会ーレベル2

13、衆議院の優越に関する以下の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア、参議院が、衆議院の承認した条約を受け取った後、国会休会中の期間を除いて10日以内に承認しないときは、衆議院は、参議院がその条約を不承認したものとみなすことができる

イ、参議院が、衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないときは、衆議院両院協議会を開くことを求めることを妨げない

ウ、衆議院内閣総理大臣の指名をした後、国会休会中の期間を除いて40日以内に、参議院が指名の議決をしないときは、

エ、法律家の議決について、衆議院参議院が異なった議決をしたときは、衆議院両院協議会を求めなければならず、参議院はこれを拒否できない

オ、参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、会休会中の期間を除いて60日以内に議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする

1、1つ 2、2つ 33つ

4、4つ 5、5つ

いやらしい問題ねえ!!

13

こたえ

間違っているのは

『5』

ぜーーーんぶ間違っている。

ア、誤っている

『10日以内』

参議院がその条約を不承認したものとみなすことができる』

としている点が間違っている

イ、誤っている

衆議院両院協議会を開くことを求めることを妨げない』

としている点が間違っている

ウ、誤っている

『40日以内』

としている点が間違っている

エ、誤っている

『法律家の議決に』

につき、

衆議院両院協議会を求めなければならず、参議院はこれを拒否できない』

としている点が間違っている

オ、誤っている

衆議院の議決を国会の議決とする』

としている点が間違っている

憲法の国会ーレベル2

14、日本国憲法における国会議員に関する次の記述のうち、正しいものはどれか?

1、両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決のような職務行為に付随する行為であれば、ヤジや暴力行為についても、責任を問われない

2、両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫より相当額の歳費を受ける。この歳費は、在任中、減額されることはない

3、両議院の議員は、院外における現行犯罪の場合と、議院の所属する議院の許諾のある場合を除いては、国会議員在職中は逮捕されない

4、両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決については、民事・刑事責任を問われないのみならず、所属する議院における懲罰責任も問われない

5、国会の会期前に逮捕された議員は、所属する議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない

14

こたえ

正しいのは

『5』

正しい

国会の会期前に逮捕された議員は、所属する議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない

H19

なかなかなれないからもっとさかのぼった方がよさそうかなあ

憲法の多肢選択式ーレベル3

15、次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ ア ]〜[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

 「公職選挙法の制定又はその改正により具体的に決定された選挙区割と議員定数の配分の下における選挙人の投票の有する[ ア ]に不平等が存し、あるいはその後の[ イ ]の異動により右のような不平等が生じ、それが国会において通常考慮し得る諸般の要素をしんしやくしてもなお、一般に[ ウ ]性を有するものとは考えられない程度に達しているときは、右のような不平等は、もはや国会の[ ウ ]的裁量の限界を超えているものと推定され、これを正当化すべき特別の理由が示されない限り、憲法違反と判断されざるを得ないものというべきである。

 もつとも、制定又は改正の当時合憲であつた議員定数配分規定の下における選挙区間の議員一人当たりの選挙人数又は[ イ ](この両者はおおむね比例するものとみて妨げない。)の較差がその後の[ イ ]の異動によって拡大し、憲法の選挙権の平等の要求に反する程度に至つた場合には、そのことによって直ちに当該議員定数配分規定が憲法に違反するとすべきものではなく、憲法上要求される[ ウ ]的[ エ ]内の是正が行われないとき初めて右規定が憲法に違反するものというべきである。」

1、羈束 2、数量 3、地域 4、人事 5、権力 6、価値 7、人工

8、結果 9、票決 10、厳格 11、期間 12、効果 13、機関

14、囲繞 15、合理 16、関連 17、人口 18、明確 19、要件

20、秩序

15

こたえ

アの6の価値→イの17の人口→ウの15の合理→エの11の期間

ア:6(価値)

多くの議員定数訴訟の争点はいわゆる1票の格差問題であるが、これは、形式的に1人1票の原則が貫かれていても、選挙対象の区域ごとの人口数によってその価値に差が生じ、価値が高い者は、実質的に複数票を有するのと同じ状態となってしまうため、これが投票価値の不平等として問題視されるというものである。

この判決もこのことが争点の中心になっているものであり、空欄[ア]の前後に「投票の有する」「不平等」という言葉があるため、空欄[ア]には「価値」が入ることが分かる。

イ:17(人口)

1票の格差問題では、選挙区間の議員一人当たりの人口が多ければ1票の価値は低くなり、逆に少なければ1票の価値は低くなる(基本的に人口の多い都市圏では、1票の価値が低い傾向にある)。

仮に1度同じ価値にしたとしても、その後の人口の異動によって価値の違いが生じることになる。

この1つ目と3つ目の空欄[イ]の前後には「その後の」「異動」という言葉があるため、空欄[イ]には「人口」が入ることが分かる。

ウ:15(合理) エ:11(期間)

この抜粋部分は、いわゆる合理的期間論を述べたものであるが、この考え方を簡潔に言うと、一票の格差が一般に合理性を有するものとは考えられない程度に達し(=不平等状態)、それが合理的期間内に是正されないときに初めて違憲という判断がなされるというものである。

この最後の2行は、まさにこのことの核心にあたることが書かれているため、空欄[ウ]には「合理」、空欄[エ]には「期間」が入ることが分かる。