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失業率は下がっても

 2月の完全失業率が3%を下回った。実に22年3カ月ぶりというから、大

ごとには違いない。しかも、雇用者数は正社員が前年同月比51万人増の33

97万人、非正社員は同10万人減の2005万人。この6カ月では、正社員

の伸びが非正社員を上回っている。これだけ労働市場が改善したのは、全国的

に人手不足になっているため。2月の有効求人倍率は1・43倍と高水準を保

っている。リーマンショック後に軒並み1倍を下回ったのがウソのようだ。

 でも、労働環境がよくなったかといえば、そうでもない。賃金の動きを示す

実質資金指数は前年同期月0・1%減で、ここ数ヶ月は伸び悩んでいるのだ。

正社員だけに絞っても、春闘の平均賃上げ額は前年同期より92円低い604

7円で、賃上げ率は2%ちょっと。要するに、企業は賃金をそのままで人材を

抱え込もうとしているだけ。失業率の低下を素直に喜べる状況にはない。

 アベノミクスはインフレを誘導し、それによって賃金も上がるストーリーだ

った。私が「田舎暮らしとアベノミクス」という記事を書いたのは3年も前の

話だが、やっぱり人々の暮らしが楽になるというのは幻想だったのかもしれな

い。それでも安倍政権は夫人の問題でもたついている程度で、安定した地盤を

保っている。これが韓国ならどうなのかと頭をよぎるのだが、日本人には民主

党の負の遺産が頭から離れないのだろう。しかし、安倍政権もいつかは必ず終

わる。失業率が再び上昇する可能性も否定はできない。