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「勧めたいアニメ」を選ぶ基準

 アニメに限った話ではないが、「自分が好きなもの」と「他人に勧めたいもの」は必ずしも一致しない。このベストアニメの投票はおそらく前者の基準で選ばれたものだと思う。では、後者の基準で、特に『誰に対しても』勧めたいものを選ぶとしたら、何を選ぶか。作品自体の魅力を前提とした上で、満たすべき条件をいくつか考えてみた。具体的には

・2クール(26話)程度の長さであること。

・おおむね今世紀に入って以降に作られたものであること。

・極端に作画のまずい回がないこと。

・そのシリーズだけで話が完結すること。

といった具合。

 一つ目の尺の長さについては、1クールのもの、4クール以上のものとの比較で考えた。4クールアニメを視聴するには、一話25分として単純計算で20時間以上が必要である。これだけのものを見るには、一日のうち1時間程度を視聴に当てても一ヶ月近くかかってしまう。それだけの量のあるものは、中々他人には勧めづらい。

 一方で1クールアニメはというと、逆に尺が短すぎて全体を通したストーリーを描くことが難しくなる。仮にそれを無理に押し込めるように13話の中に入れるとしたら、メインキャラの事情や過去、性格などを描くエピソードにあてる尺がなくなってしまうことになる。そうなると、どうしてもキャラの描写が薄くなり、それに魅力を感じさせることも難しくなる。

 全体を通したストーリーがないものならば、たとえばいわゆる「日常もの」、つまり女の子たちが日常を過ごすのを描くようなアニメならば、その分を使って各キャラの魅力を伝えるような回を連続させることもできる。でも、そういったものを作業用のBGM代わりにするならまだしも、人に勧めるのはちょっと難しい。

 2点目の作られた時代については、これは単純に見た時の画面の綺麗さによるもの。ある程度以上古いものは、特にあまりアニメに慣れてない人にとっては見づらいと感じる可能性がある。僕自身、80年代のアニメはいくらか見たことがあるけれど、やはり最初は抵抗があった。今でも70年代だとちょっと抵抗がある。その意味で2000年以降くらいを考えた。僕は古くても面白ければ見るだろうけど。

 3点目はいわゆる作画崩壊の問題である。作画が良くても作品全体の評価がそれだけで上がるわけではないが、作画が悪ければいくら話が面白くても興ざめになる。なお、最近は作画が悪いとDVDが売れなくなり、制作費用を回収できなくなるので、以前ほどはそういった例が多くないから、2点目とも関連する話でもある。

 4点目は、たとえば原作付きのアニメの場合で、最初から数巻分のみを映像化したものでないこと、あるいは作中の謎が解決せずに終わるようなものでないこと。人に勧めて見てもらうことを考えると、それだけで完結するもののほうが望ましい。

 以上の基準に照らし合わせると、タイバニは4点目以外はほぼ完璧に満たしている。人に勧めるものとしても問題ないということだ。いわゆる腐女子と言われるファンの組織票という面があったとしても、彼女たちだってつまらないものに票は入れないだろうしね。個人的には、これら4つの条件を満たして誰かに勧めるものを考えてみると、プラネテスなんてどうだろうかと思う。

 なお、以上に挙げた条件はあくまで「人に勧めるならば」という基準であって、個人的な好みはまた別である。僕はたとえばロボットアニメならば「太陽の牙ダグラム」というのが非常に好きなのだけど、これは1980年頃に作られたもので、話数も6クールそこらある。

 

視聴者が選んだベストアニメ『TIGER & BUNNY』1位、2位独占