鎌倉長谷の「収玄寺」を訪ねて

蝶人物見遊山記第243回&鎌倉ちょっと不思議な物語第383回

江ノ電長谷駅のすぐ近所にある「収玄寺」は私の嫌いな日蓮宗のお寺ですが、ここはこれまた私の嫌いな北条氏の二代執権義時の孫、江間光時の家臣であった四条金吾の屋敷跡であります。

四条金吾日蓮宗創建当時の熱心な門徒で、日蓮が幕府に捕縛された時には切腹覚悟で瀧ノ口の刑場に向かったそうです。

寺の中には日蓮宗の信者であった東郷平八郎揮毫の巨大な石碑があって眼ざわりですが、庭のあちこちに数多くの野草が花開き、住職の優しい心映えを偲ばせてくれます。

この小さなお寺を妻と散策しているうちに、むかしここにジェーン・バーキンを案内したことがあったことを思い出しました。

彼女はお寺の本堂のかたわらに置いてあった鳥かごの鳥に、自分もチュチュっと言いながら戯れていましたが、突然私に「日本では死者を土葬にするのか、火葬にするのか?」と尋ねますので、その場しのぎのいい加減なことを答えながら冷汗を流したときのことが思い出され、また冷汗を流したことでした。

あのとき彼女は、一緒に来日した新婚の夫ジャック・ドワイヨンとお熱いところを見せつけてくれましたが、およそ一〇年で別れてしまいました。

私はバーキンが好きですが、同い年生まれのドワイヨンはもっと好きでした。されど彼は、最近どんな作品を撮っているんだろう。

 そういえば黒田清子さんのときにもマスコミはここを先途と大いに騒いだ 蝶人